動物さん

2008年01月10日

動物さん
動物園です。

多摩動物公園の、サファリパークにて。
近い。近いよライオンさん。

今、太宰治の「猿が島」を読んでいる。
意外な展開に驚かされたり、
再読した時に、多くの伏線がはられていることに気づいたり。
太宰自身の内にある二面性を、二匹の猿が暗示してもいるらしい。

基本的には、動物園に連れてこられた猿の視点で描かれる作品だ。

こういう作品を読むと、
ライオンさんに出会った時に、その気持ちも考えてしまう。

定期的にバスが来て。肉がぶらさがってて。
そこに寄ってくるライオンたち。
彼らは、自らが見世物であることを知っているのだろうか。
どんな感覚で生きてるんだろう。
逃げ出したい、と思ったことはあるんだろうか・・・。

エサの心配がいらないことは、幸せ?
もう、野性には戻れないことは、不幸せ?

最近、ディープブルーのような、
地球の自然・野性を撮影した作品が流行っている。
昔から「ディスカバリー」シリーズは好きでよく見ているけれど、
動物園に来ると、そんな野生を重ねて思わずにはいられない。

河合雅雄さんの評論にあったんだけど、
豚と猪は、もともと同じ動物だったそうな。
家畜化され、気性がおとなしくなり、食べて寝てるイメージの豚。
野生のまま、気性は荒く、牙もあり、いつも食料を探し求める猪。
環境が、進化の方向性を決定づけた。
危険が取り払われることで、失うものもある。
河合さんは、
今の若者を、家畜化された豚に例えて、
「子豚よ…おまえの先祖、猪の血を呼び戻せ。」
というメッセージを投げかけている。

「環境が人間を作る」ってのはガラスの仮面にあった言葉かな。
動物ってのは、適応していくものなのよね。
それは素晴らしい能力だけど、
退化につながってしまう恐ろしさも孕んでいる。

安住と挑戦と。
ホメオスタシスとトランジスタシスと。
それら二つの相克が、常につきまとっているんだなぁ。。。

そんなことまで考えちゃった、動物園の旅ブタ


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